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子供のいないご夫婦からの相談が増えています。ご夫婦お二人様での来所も、もちろん歓迎します。「お互いのためを想っての遺言」とのお考えで、ご夫婦お二人とも遺言書を作成する方もいらっしゃいます。
配偶者が亡くなったときの備えはしているでしょうか。例えば生命保険はその一つですね。
では、相続発生後の遺産分割協議のことを考えてみたことはあるでしょうか。
お子様がいないご夫婦で、夫が先に亡くなった場合を考えてみましょう。相続人は、①妻と夫の親(直系尊属)、夫の親が既に亡くなっている場合は、②妻と夫の兄弟姉妹です。
ご相談にいらっしゃる方のほとんどが中高年以上の方です。既に、②のケースが多いです。遺言書がない場合は、妻が自動的に全部相続できるわけではないことに注意が必要です。
夫が高齢で亡くなったら、その兄弟姉妹も高齢です。中には認知症の方がいて遺産分割協議に支障がでたり、すでに兄弟の一部が先に亡くなっていると、その下の代の人たち(甥・姪)と遺産相続の話し合いをしなければなりません。
ご家庭によりけりですが、普段から夫の兄弟姉妹とそんなに交流していないという方も多いと思います。その状況で、遺産の話し合いをするのは、大変ストレスではないでしょうか。
このように普段交流のない親族と遺産相続の話し合いをしなくてすむのが遺言書作成のメリットです。遺言書に「私の財産は妻に全部相続させます」と書けば、兄弟姉妹との協議は不要になります。
「自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがおすすめですか」とよく聞かれます。
自筆証書がお手軽ですが、誤字・脱字などがあっても気付かずにそのままであったり、内容面で不備がある可能性や紛失リスクなどを考えるとやはり公正証書遺言をお勧めします。
遺言書の作成が以前よりは身近になり、ご相談自体も増えてきていますが、一方でまだまだメリットが知られていないと思う時もあります。
子供がいないご夫婦にとってはメリットが非常に大きいです。配偶者の兄弟姉妹とお金(遺産)の話し合いをする必要がなくなるからです。
遺言は誰のためにあるのか、これはもちろん遺言者ご本人様のためにあります。ご本人様の意思で自由に書くことが前提です。その上で、遺言書を使って財産をもらう方は・・・もちろんご本人様ではなく、「財産をあげたい」と選んだ方です。遺言書は遺言を書いた方が亡くなってからから使うものです。そうであれば、「自分が亡き後、残された方(配偶者)が困ったり、面倒なことにならないように配慮する」、遺言にはこのようなメッセージもあるのではないでしょうか。
実際の相続手続きのご相談の中で、(遺言書がなく)「親しくない義理の兄弟との遺産相続の話し合いに疲れた」、「とっても苦労した」、「遺言書を書いてもらえばよかった」との声が聞かれることもあります。遺言について先に知っていればよかったのにと後悔される方もいます。
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