「うちは財産がないから遺言は不要？」から考える、家族の未来を守る大切な方法

「うちは財産がないから、遺言書なんて必要でしょう。」

友人との集まりで、相続の話が出たとき、あなたは思わずそう口にしていませんか？ 宇都宮市内に自宅と少しの預貯金があるだけの、ごく普通の暮らし。それなのに、なんだか胸のあたりがざわつく。もしもの時、遠方にいる娘に面倒をかけたくない、でも何から手を付ければいいのか分からない……。 

私たち行政書士は、遺言書は特別な方、資産家だけのものではないと考えています。遺言書は、残されたご家族の心を守り、あなたの「想い」を形にするための、大切なメッセージなのです。

今日は、「財産がないから遺言は不要」という誤解を解き、遺言書がもたらす本当の安心について、ご一緒にお話しさせてください。

遺言書がない場合、どれだけ財産が少なくても、ご家族は全員で「遺産分割協議」という話し合いをしなければなりません。  わずかな預貯金でも、親から受け継いだ思い出の詰まったご自宅でも、その一つ一つについて、ご家族全員の合意が必要になるのです。

もしご兄弟が複数人いて、連絡が疎遠になっていたり、関係が複雑だったりしたらどうでしょう？  普段は優しかったご家族でも、いざ相続となると、ちょっとしたことで感情的な対立が生まれることがあります。手続きが進まないだけでなく、ご家族の関係に修復できない溝ができてしまうことも少なくありません。これは、どんなに財産があってもなくても同じことなのです。

遺言書は、こうしたご家族の負担を減らす「先手」の一手となります。 そして何よりも、ご家族の絆を守り、円満な相続を実現するための、確実な一歩なのです。 

1. 家族間の争いを未然に防ぎ、絆を守る「安心」

遺言書があれば、遺産分割協議が不要になります。 あなたが「誰に」「何を」遺すかを明確に示しておくことで、残されたご家族は、話し合いの負担や、それに伴う心のすれ違いを回避できます。  遺言書は、法律上のトラブルだけでなく、感情的な対立も未然に防ぐ、一番の予防策なのです。

2. あなたの「想い」を、大切な人に確実に届ける「安心」

たとえば、「ずっと介護してくれた長女に、他の兄弟よりも多く財産を遺したい」というお気持ちはありませんか？  もしあなたが遺言書を残さなかったら、その想いを伝えることはとても難しくなります。

公正証書遺言は、あなたの「想い」を法的に確実な形で残すことができる唯一の方法です。 また、公正証書遺言には「付言事項（ふげんじこう）」といって、ご家族への感謝の気持ちや、財産の分け方を決めた理由などを自由に書き残せる欄があります。 

「この自宅を娘に託したのは、長年介護をしてくれた感謝の気持ちだから」「兄弟で力を合わせ、仲良く過ごしてほしい」。そうしたあなたの温かいメッセージは、何よりも大切な「想い」として、ご家族の心に深く刻まれます。 遺言書は、単なる書類ではなく、あなたの人生の「物語」を締めくくる、ご家族への最後のメッセージなのです。  

「分かってはいるけど、何から手をつければいいのか」「複雑な手続きが面倒そうで…」。そんな風に感じていらっしゃる方も多いでしょう。 

私たちがお手伝いできるのは、手続き代行だけではありません。私たちは、あなたの「想い」を丁寧に聞き出し、言葉にならない漠然とした不安を、一つひとつ明確な形にする「伴走者」です。 

面談では、あなたの生い立ちから、ご家族との関係、そして将来への不安まで、じっくりとお聞かせください。 

「娘に負担をかけたくない」という思いや、言葉にできない家族への「ありがとう」を、どうしたら遺言書に込められるか。そうしたあなたの想いを深くヒアリングし、法的に正確でありながら、心に響く「あなただけの遺言書」を作成します。 

私たちは宇都宮市に根ざした事務所です。 遠方の事務所にはない、「顔が見える関係」だからこその安心感を大切にしています。 公証役場との煩雑なやり取りもすべて私たちが代行し、作成時には証人としてあなたに寄り添い、手続きがすべて完了するまで、しっかりとサポートいたします。

先日、公正証書遺言を作成されたお客様が、完成した遺言書を手に、こうおっしゃいました。

「最近は、もしものことを考えると不安でなかなか寝付けなかったんです。でもこれで、ようやく安心して眠れます。本当にありがとう。」

その方の安堵に満ちた笑顔が、私自身の心に温かく残っています。私たちが目指しているのは、こうした心の平穏をお届けすることです。

【受付時間】9:00〜17:00（土日祝対応可）　　　　　　　　　　【運営】行政書士・司法書士近藤事務所